墓標
掌に乗せたキミの温かさに 緊張したのを僕は覚えてる
小さな体の中 もの凄い速さで鼓動を打つ心臓に
責任を感じたことも
そのまあるい目で僕を見上げ、唐突に駆け寄ってくるキミに
何度ヒヤリとさせられたことか
そこがテーブルの端っこでも、キミはまるでおかまいなしだ
小さなキミ
やわらかかったキミ
それが今は動かない
雨が降るたび元気のなくなるキミに 僕は何度心配させられたろう
薬を与える僕の指を その小さな手で押し戻して
キミの一生は、僕のそれのほんの一瞬
その一瞬のために僕と出会って キミは本当に幸せだったろうか?
寂しさで 僕はキミを虜にして
愛してるなんて 片腹痛いかも知れないね
キミの小さな骸(むくろ)は 箱に入れて植込みの中に隠したよ
夏草に覆われて もう誰の目にも晒されないから
ひとりきり 砂漠を自由に駆けまわる夢でも見ながら
ゆっくり おやすみ
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