最近のトラックバック

無料ブログはココログ

カテゴリー「文化・芸術」の記事

博物館探訪-切手の博物館

切手の博物館』は、目白にある切手に特化した博物館。

1988年に切手収集家の水原明窓氏が設立した財団法人が母体となり、1991年には東京都の登録博物館に認定されたそうです。

どうやら常設展はなく、企画展示とイベントで回しているようで、私が訪れた時には干支にちなんだ企画展とバレンタイン特別展示が開催中でした。

Dscf3080

 

車道に面した建物なので比較的見つけやすいですが、外観が会社っぽっくて入りづらい雰囲気かも?

Dscf3084_2 Dscf3083

一応入り口前にウェルカムボードみたいなものが立ってますが、受付のお姉さんはまったくウェルカムしてはくれません(^^;)

写真撮影の可否を尋ねた際も大変居丈高にお断りしている旨を伝えられ、いささかカチンときたので展示評価が厳しめになっちゃいそうです(笑

今見たら、貰ったチケットの裏に撮影不可の文言が印刷してあるので、お姉さん的には「書いてあんだろ」ぐらいの気持ちだったのかもしれませんが、入場時にぺろっと渡されたチケットの裏のこんなちっさい文字、見ねぇよ。

3階の展示室でも一番奥の壁の隅に『撮影不可』のボードが置いてありましたが、そんなに撮られたくないなら入口に目立つように立てとけよ。

……ってな具合に、しょっぱなからこの博物館への好感度がだいぶ下がってしまったのですがcoldsweats01

しょうがない、こっちも人間だから。

本当にこういう小さなことで、施設そのものの印象が左右され得るということを、接客部門に携わる者は肝に銘じなきゃいかんなぁと、我が身を振り返りつつ思いました。

まあ鬱憤晴らしはこのくらいにしておきましょうか(笑)

 

展示室は1階奥と3階の1室になっています。

2階に切手関係の資料を閲覧できる図書室があります。

スペースは本当に狭いのですが、展示資料も切手という小さな物なので、点数自体は結構な数がありました。

……なのですが、『展示』というよりは『陳列』に近いかなぁ……sweat02

一番の問題は、解説文のつくり方だと思います。

1階では今年の干支である犬と、去年の猿をモチーフとした切手を集めて、番号を振って展示しているのですが、切手の横に1枚紙で貼ってある解説が、まず番号、モチーフになっている犬種(猿種)、発行国、発行年の羅列から始まっている。

大体ひとつのボードに20枚くらいの切手が展示されているので、少なくとも20件はそのデータの記述が続いて、その下に何やら解説めいた文章が印刷されている……って、これ順番逆にした方が??

データの記述って、どう使いたいかが先にないと、読んでても全然おもしろくないと思うんですよ。

その「どう使いたいか」を見学者に思いつかせるきっかけとして、説明文が存在するのではないかと。

そもそもすべてベタ打ちで、行あけも罫も入っていない、まさに「読ませる工夫をまったくしていない」解説用紙で、実際私は最初のボード3枚くらいは、データの下に文章があることに気づかず、ほぼ見てませんでした(^^;)

しかも何が書いてあるかと思えば「犬は犬種によってずいぶん顔が違います」みたいな、動物についての説明だったりして……いや、それもひとつの情報としてはおもしろいけど、むしろなんでその犬がこの国のこの時代に発行された切手にモチーフとして選ばれたのか、とか、そういう話が聞きたいんですがgawk

モチーフの動物について語りたいなら、最後に全部纏めて書くのではなく、せめて切手の番号・犬種等データの後にばらして入れていくなどの工夫が欲しかったです。

このビジュアルとテキストが分断されているという事例は、奥にあった切手の歴史などを説明したパネルでも見られました。

こちらはせっかく写真を利用しているのに、なんの写真なのかという見出しをつけてないがために、説明文を全部読んでから自分で結びつけなければならないという……。

もったいないです。

内容がわりとおもしろかったこともあって、本当にもったいないと思います。

写真のすぐ横に小さく見出しをつける、その少しの手間をかけるだけで、学習効果は2倍3倍になるのになぁ……。

度々解説者の「切手LOVE」感がひしひし伝わってくるような文章も散見されただけに、とても残念down

 

ただ、もともと切手に興味をお持ちの方であれば、そこまで詳しい説明は必要ないという判断なのかもしれません。

今までまったく切手に造詣がなかった分、私は今回切手についての認識を新たにした部分が結構ありました。

特に、切手のモチーフ選択にはある種のメッセージ性が籠められている(政策であったり、動物保護などであったり)という観点は、今まで私にはなかったものなので新鮮でした。

切手を売ることで寄付金を集めたり、観光土産などビジネスにも活用できたり。

切手って、とても小さく、とても身近なアートであると同時に、為替でもあるんだなぁ、としみじみ考えちゃいました。

……というふうに、この博物館で切手への興味の第一歩を踏み出すひともいるかもしれませんので、もう少しビギナーに優しい展示にしてもらえるといいなと思います(^^)

 

そういう意味では、バレンタイン企画の方が私はとっつきやすかったかな。

テーマがはっきりしている分、陳列でもそれぞれのデザインの違いなどを楽しめて、変なストレスは感じなかったです。

特にフランスのバレンタイン切手はおしゃれshine

あと、ベルギーの切手はチョコレートの香りつきなんていうのがありましたhappy02

この香りつきインクでの印刷技法、個人的にちょっと注目してるんですよね~。

視覚、聴覚はネット伝達できても、嗅覚と触覚は現物があってこそですもんね。

味覚は……インク舐めるのはちょっとなcoldsweats01

↓展示室にはこんなものも。

Dscf3068 Dscf3069 Dscf3071 Dscf3075

(なんのこっちゃ?sweat02

 

また、ここから郵便を出すとバレンタイン仕様の消印をつけてくれるとか。

Dscf3081_2

せっかくなので、お手紙なんか出してみました(笑

Dscf3079 ←こんなの捺してくれるheart04

 

そんなワケで、いろいろモンクも言いましたが(汗)切手収集などのご趣味をお持ちの方でしたら、珍しい切手を入手できるショップも入っているようですし、充分楽しめると思いますhappy01

また、美術に関心のある方も、結構楽しいんじゃないかと今回感じました。

小さなスペースをどうデザインするか、そんな勉強にもなりそうconfident

ご興味を持たれた方は、私の悪評などには惑わされず(笑)、ぜひご自分の目で確かめに行ってみてくださいね!

 

建物の入り口脇にあったポスト↓

Dscf3086

グワシ!?

博物館探訪-民音音楽博物館

信濃町にある『民音音楽博物館』は、創価学会会長・池田大作氏の提唱で1963年に創立された『民主音楽協会』が運営しているらしい小さな博物館。

Img_20180116_151834

古典ピアノやオルゴールなどの楽器展示と、ミニ演奏会などを定期的におこなっているようです。

内部はいっさいの撮影が禁止だったため写真で展示物をご紹介できないのは残念ですが、いずれも楽器であると同時に美術鑑賞にも充分堪えうる美しいものばかりでしたhappy02

 

展示室は建物2階のワンフロア、4部屋に分かれています。

古典ピアノ室には16~20世紀に製作された鍵盤楽器が展示されていて、スタッフさんが簡単な説明と演奏をしてくれます。

さほど音に敏感でない私でも、それぞれで奏でられる音色の違いが判る!coldsweats02

特にチェンバロとピアノの違いは顕著でした。

チェンバロの方がピンと張りつめた感じの音で、弦楽器っぽいかな?

スタッフさんの説明では、チェンバロは絃を爪で引っかけて音を出すため常に音量は一定ですが、ピアノはハンマーで絃を叩いて鳴らすので、鍵盤を叩く力の強弱で音量も変わるのだそうです。

ペダルで音の響き方を変えられるのもピアノの特徴なのだとか。

へ~notenote

また、ショパンが調子のいい時と悪い時で使い分けていた(とスタッフさんが言っていた気がするsweat02)プレイエルとエラールの2台は、なるほどと納得できるほど音色が違ってビックリ。

こういうの、きっと音楽やるひとにとっては当たり前なんでしょうが、私のようなまったく造詣のない人間には結構衝撃でした(^^;)

実際に演奏してもらったピアノの中には、ニーペダルとか言って、ペダルが鍵盤の底側についているものや、シンバル(?)みたいなものを鳴らすトルコペダルが実装されているものなどがあって、約20分間退屈することなく楽しめました(^^)

ただ、こちらの部屋は実演解説時間以外は締め切られていて、自由に見学することはできないそうです。

一応展示品に簡単な説明ボードがついていたので、ひとつひとつゆっくり見たいなと思いましたが、古い楽器を演奏できる状態で保存するのには相当神経を使うだろうというのも理解できるので、まあしょうがないかな(^^;)

実演開始の少し前から入室できるようなので、その短い時間を活用されることをお勧めしますhappy01

 

自動演奏楽器展示室には、オルゴールと自動再演ピアノ、蓄音機が展示されています。

『オルゴール』というのは実は日本製の呼称だそうで、アメリカなどでは『ミュージックボックス』と呼ぶのが一般的だそうです。

また、初期のシリンダー式オルゴールは時計職人によって制作されたものが多く、大変高価だったため、富裕層の人間しか持つことができなかったとか。

その後量産に適したディスク式オルゴールが開発され、やっと庶民も音楽を楽しめるようになった……なんて解説をしていただいた後、実際にオルゴールを稼働!

いろんな種類のオルゴールがありましたが、私が気に入ったのはストリート・オルガンの『フェアリーテール』heart04

これ、音楽に合わせて人形がコミカルに動く「見せるための」オルゴールで、よくできていましたhappy01

ディスク型の大きなオルゴールは、ジュークボックス的にパブなどに置かれることが多かったとかで、コインを投入すると演奏が始まるというつくりのものもあって、スタッフさんが見学者から希望者をひとり募ってコインを入れてもらうというパフォーマンスも。

こういう参加型の実演解説は、より能動的な学びに繋がっていいですね!

ちなみに当時は、オルゴールに1曲演奏させるためのコイン1枚でドリンクが数杯飲めたそうですshock

私なら飲んじゃうな(笑

他にもからくり人形が動く仕掛け付きのオルゴールや、自動演奏ピアノの実演など、15分間があっという間。

実は私、1回目の実演解説を途中から聞いたので、再度次の解説時間に頭から聞き直したのですが、どうやら回によって実演するオルゴールが若干違うようです。

ひとつにかける時間配分も客の反応を見て多少変えているみたいなので、もし時間に余裕があれば複数回見学するのも楽しいかも。

 

……なんですが、古典ピアノと自動演奏の実演でトータル35分、1日1回?(たぶん午後14時くらい?)1階フロアにある自動パイプオルガンの演奏が入ったりすると、ほぼひっきりなしに実演解説が続く感じで(^^;)

企画展示室などを見学していても、スタッフさんが大変親切に「今から実演始まりますので、ぜひどうぞ」と声をかけてくださり……なんか慌ただしいですsweat02

館内に配置されているスタッフさんの数も多く、若干見張られている感も……。

正直、「少し自由に見させてくれ。。。」と思ったりもしました(^^;)

 

実演解説は基本的に好きですし、扱う資料が音の出るものなので、ただ置いておくよりは演奏していただいた方が高い学習効果を望めるのはもちろんなのですが、今のやり方だと自発的な学習意欲をいささか阻害してしまうような……。

そしてせっかくの実演解説なのに、説明不足で少し物足りない気が私はしました。

例えば、自奏楽器にせよピアノにせよ、音の違いや内部の構造の違いにさらっと言及だけして中を見せてもらえない。

私はこれ、結構フラストレーションでしたgawk

資料の上部に鏡を設置して演奏中の動きを可視化するとか、パネルを用意するとか、やりようはあるんじゃないかなと思います。

自動パイプオルガンなんて、一応内部が判るように蓋を開けて演奏してくれるんですが、何がどうなって動いているのかとか、そういう説明はいっさいなかった……down

いや、だってこれ、わりと凄いよ、この機械!

オーケストリオンとかいう愛称がついているらしいのですが、その名のとおり金管・木管パイプの他に太鼓やらトライアングルやらが詰め込まれていて、それが自動で音楽を奏でているわけですよ?

すっげー不協和音だけど、すっっげーー頑張って演奏してます感が半端なく伝わってくるんですよ!bearing

音楽を掻き消すほどの勢いで響いている「ヴォ~ッ」という駆動音も含めて、何がどうなっているのか知りたいじゃないですか(^^;)

館内に置いてあった小冊子によれば、電気による送風で動かしているそうなので、たぶんその送風機とかモーターの音なんでしょうけど。

世界各地の楽器を集めた楽器展示室も含め、全体的に資料に対する研究成果の情報が少ないように感じました。

そのへん補填されているのかと思い、珍しく『民音音楽博物館 所蔵カタログ』なんてものを購入してみましたが、写真と、HPでも見られる短い解説文が載っているだけの本当にカタログだし(^^;)

もちろん、音を聞かせることを重要視してるからとも考えられますが、なんか中途半端なんだよなー……think

もしかしたらスタッフさんに質問すれば疑問点を解明してくれるのかもしれませんが、人数は多いけどあまり話しかけやすい雰囲気ではないんですよね(汗

この日はたまたま外国の偉いひと?が視察で来たのか、なんか館内バタバタしていたというのもあるかもだけど。

でもそれ、来場者には関係ない事情ですし。

 

あと、もの凄く気になったのが、実演解説のある部屋、資料が3方の壁沿いに並んでいて、部屋の中央に観客席が配置されているので、解説者が自分に近い側と正面の資料を実演している間はよく見えても反対側に行かれると上半身を120度くらい拈らないと見られないという……coldsweats02

私が行った時はほぼ空席だったので、自分が移動して見学しましたが、これは少しどうにかした方が……?

まあこれも、「音を聞かせるのが目的だから!」と言われればそれまでなのですが(^^;)

なんか……なんか、中途半端なんだよなーーーっcoldsweats01coldsweats01coldsweats01

 

楽器展示室の方も、せっかくナゾの彫刻やら絵やらがついた外国の楽器が展示されているのに、イマイチそれがなんのためにつくられ、どうやって使われていたのかが判らなかったり。

アルマジロの甲羅でできている『チャランゴ』というアルゼンチンのギターとか、その情報をくれるんだったら側面・背面を観察できるように展示してほしかったなーbearing

ただ、この展示室の入り口にあるパソコンで、各楽器の音を聞けるようになっているのは楽しかったです(^^)

 

とゆーワケで、結構残念な感じもしましたが、事前にある程度知識を持った上で訪れればまた違った印象になるかもしれませんし、夏休みなどには子供が楽しめるようなワークショップも実施しているようなので、そういったものを利用するといいかもhappy01

音楽にもともと造詣の深い方なら、おそらく貴重な楽器を見られるだけでもテンション上がること請け合いshine

また、2/12まで、楽器の調律に必要な音律大系である「純正調」と邦楽の研究に力を注いだ物理学者の田中正平氏の自筆書簡など、日本の近代化の中で音楽の発展進化がどのようにもたらされていったのか、研究者たちの努力が垣間見られる企画展も開催中です。

……私自身は「純正調???」という感じでしたが(汗)、興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか?

博物館探訪-江戸東京たてもの園・賀正

今年もいくつかの博物館は2日から開館!

働いているひとは大変だけど、博物館ファンとしては嬉しいです(^^)

とゆーワケで、江戸東京たてもの園江戸の正月を楽しもう』に行ってきました。

Dscf2766  

 

実は子供の頃に何度か行ったことがあるのと……さほどの施設じゃなかったという記憶に基き(^^;)、昼頃にだらだら出かけたのですが。

すみません面白いです、そしてしっかり見て回ると結構1日かかりますsweat01

江戸太神楽などのイベントを見るのに時間を取ってしまったということもありますが、でもせっかくだから見たいし!(笑)

おかげで今回すべての建物展示を回りきることはできませんでした。不覚……!bearing

 

武蔵野の歴史をテーマとした『武蔵野郷土館』を前身に開館した江戸東京たてもの園は、東京(江戸)の歴史や風俗が垣間見られる歴史資料的建造物の保存・展示を目的とした博物館だそうです。

建物を復元移築した野外展示のほかに、縄文土器や民具などがビジターセンター内に展示されています。

Dscf2818 Dscf2820

 

Dscf2794

中原遺跡出土の『装飾把手付土器』(縄文時代中期)

Dscf2806

観音塚古墳出土の『埴輪(靫片)』(古墳時代)

 

……で、中原遺跡ってどこ!?

長野とか福岡とか、あちこちにあるんですけど??

武蔵野と言うと埼玉南部から府中の辺りを指すことが多いので、その辺りの遺跡のはずですが……????

と思いつつ進んだら、展示室の真ん中辺りの壁に ↓

Dscf2796_2 Dscf2804_2

遅ぇよ。その上いちいち対応させながら見なきゃならんのかgawk

しかもわりと千葉県やら山梨県やら、広範囲から資料収集しているようだし。

せめて都道府県名くらいは名札に記載してほしいです(^^;)

 

Dscf2801 Dscf2802

↑青梅市喜代沢遺跡から出土した耳飾り(縄文時代後期)

ちなみに、こうやって使ったらしい。↓

Dscf2798 Dscf2799

……って、あまりにざっくりした装着例で結局よく判らんのですが(^^;)

この資料だと耳朶を挟んでつけてますが……一般的には、耳飾りには玦(けつ)状と栓状があって、写真のタイプは栓状なので、耳朶に穴をあけて嵌め込んでいたとされています。

アフリカの一部部族でも見られる装着法ですが……それとは違うのかな?

基本的にどの展示資料にもあまり詳しい解説がなかったので、このへん改善されると見学後の満足度が違うのになぁ、と思いました(^^;)

 

Dscf2813 Dscf2812

↑港区長谷寺に伝わる夜叉神堂鬼面と、台東区に伝わる今戸土人形。

Dscf2815

↑亀戸天神『鷽(うそ)』。

鷽ってなんじゃ?と思って調べてみたら、日本海沿岸に生息するスズメ科の鳥で、「鷽」と「學」の字が似ていることから学問の神・天神社のマスコット(?)になってるんだとか。

Dscf2816

↑江戸時代から雑司ヶ谷の鬼子母神土産としてつくられていた『すすきみみずく』。

名前のとおりススキでできているらしい。

カワイイheart04

 

Dscf2807 Dscf2809

『マユカキ』と『くるり棒』。

マユカキは繭の周りにくっついた毛羽(繭糸)を除去する機械。

くるり棒は、柄を持って打撃部を回転させ、打ちつけることで脱穀する道具……?

こういった昔の民具は、文字で用途を説明されても判りづらいものも多いので、使い方のイラストなどがあると嬉しいかなcoldsweats01

 

……といった具合に、正直展示室についてはいろいろ気になる部分が多かったのですが(sweat01)、ここのメインは野外展示の方ですので、まあこんなものかもな、という感じです(笑

 

野外展示は東、西、センターゾーンの3エリアに分かれ、現在30棟の家屋と灯籠や都電車輌などの屋外展示物が配置されています。

Dscf2765

東ゾーンには、主に明治以降に建てられた商家や問屋、銭湯などが復元されています。

建造物だけでなく商品なども一緒に展示することで、当時の下町風情を体感できるようなつくりになっています。

Dscf2774 Dscf2777

花市生花店。

昭和初期に建てられた看板建築。

看板建築ちゅうのは、2~3階建ての木造建築の正面だけを銅板やモルタル、タイルなどの耐火素材で覆った装飾的な住商兼用町家の一形式を言うのだそうです。

関東大震災からの復興期に多く建てられた形式なのだとか。

 

Dscf2770 Dscf2769

植村邸。

1階の銅板部分に、戦時下の空襲で受けた疵が残っています。

 

Dscf2775 Dscf2778 Dscf2779 Dscf2780

武居三省堂。

明治初期創業の文具店で、「さんしょうどう」と読むようです。

店内に墨や筆が所狭しと並べられていて、ちょっと萌えheart04(笑

 

Dscf2787 Dscf2782

大正時代に建てられた和傘問屋さん。

内部は昭和初期の問屋の店先を再現しているそうです。

和傘の製作過程を示した人形が展示されています。

 

Dscf2776 路地裏。

Dscf2788 Dscf2789 皇居正門石橋にあったらしい電燈。

 

西ゾーン。

Dscf2830 Dscf2828

多摩川崖線上にあった農家。江戸時代中期頃の建築らしいです。

この西ゾーンでは、江戸時代から昭和初期までに建てられた様々な建築様式の住宅を一度に見られます。

それぞれ特徴のある家を、外観だけでなく内部に上がって見学できるので、建築に興味のある方なら相当楽しいと思います(^^)

 

Dscf2831

江戸時代に野崎村(現在の三鷹市野崎)の名主を務めた吉野家の住宅。

Dscf2833 Dscf2834 Dscf2835 Dscf2836

Dscf2838 Dscf2839 Dscf2840

床の間の横に出窓状の障子窓が付属した付書院や、欄間の彫刻までが洗練されていて美しいshine

 

Dscf2841 Dscf2842_2

三井財閥を築いた三井総領家の10代当主・八郎右衛門邸。

正月飾りがついているのが期間限定っぽくていいですねhappy01

昭和27年建築の母屋に明治30年頃につくられた客間と食堂が復元されているそうです。↓

Dscf2861 Dscf2862 Dscf2866 Dscf2867 Dscf2868

入ってすぐの部屋に、かつて神奈川県の大磯城山にあった三井家別邸『城山荘』の写真資料などが展示されていましたが……

Dscf2846

見えるかな~?sweat01

ほとんど神棚か!?みたいにデコラティブな部屋……生活できんのか、これ??coldsweats02

Dscf2855 Dscf2853

↑長持と箪笥。

3階まで見学できますが、昔の建物なので階段は急です(汗

Dscf2852

ただ、脚の不自由な方用にエレベーターも設置されています。

Dscf2860

……この辺は、資料の原型を重視するか展示公開機能の充実を重視するかで意見が分かれる点なわけですが、さりげなく、資料の全体像を損なうことなく設置されているところが、私的には好印象でした(^^)

 

Dscf2881 Dscf2882

大正14年田園調布に建てられた全室洋間の家。

淡いクリーム色の壁と大きな窓がカワイイお家ですheart04

Dscf2884 Dscf2885 Dscf2883

 

Dscf2879

内務省の立てた都市計画を元に東武鉄道が開発した住宅地・常盤台に、昭和12年に建設された写真場。

「住みやすい、環境のよい、健康住宅地」をキャッチコピーに売り出された常盤台宅地は、当時では先進的だった水道が引かれ、遊歩道や公園、商店街などが計画的に配置された理想的な住宅街だったそうです。

2階は撮影室、1階が住居になっていて、壁際にカウンターのようなものが並んだ部屋が実は子供たちの勉強部屋なのだとか。

エデュケーターさんによると、娘が5人息子が1人(人数違ったかもsweat02)の大家族だったらしく、勉強机が3つしかなくても年齢差で使う人間がローテーションしていったため間に合っていたようだ、という話でした。

ある意味とても合理的coldsweats01

撮影室は、北側に設置されたほぼ天井までぶち抜きの大きな窓から採光し、天井は屋根の傾斜をそのまま利用して傾斜させ、さらに天井と壁の接合部になだらかな弧をつくることで、撮影に最適な照度を得られる工夫がされているそうです。

Dscf2876 Dscf2875 Dscf2872 Dscf2874

頼めば自分のスマホなどで記念撮影もしてもらえるようですよ。

「どんなカメラで誰が撮っても、意外といい写真になります(笑)」とエデュケーターさんがおっしゃってましたhappy01

そう言えば、私はこの家でしかエデュケーターさんを見かけなかったのですが、やっぱりこういう説明をしてくれるひとがいた方が、実りの多い見学になりますね。

一応、毎月第4土曜日の14:30から学芸員による園内解説案内をしているそうなので、時間の合う方はこういうのを利用されると楽しいかと思います(^^)

 

他にデ・ラランデ邸という洋館もあるのですが、私が訪れた時は修復中で見られませんでした。残念despair

そして日が暮れ、寒さに耐えきれず、今日の見学をここで打ち切りました。

真冬の野外博物館はキツイな……(^^;)

結局センターゾーンは展示室以外まったく見学できなかったのですが、あきる野市から移築した瀬戸岡1号墳や御殿山遺跡敷石住居址なんかがあるみたいです。

本当に、武蔵野とその近隣の太古から昭和初期までの歴史を、園内にぎゅっ!と詰め込んでるんですね。

ひとつ地域の時間の流れをつぶさに見られるというのが郷土資料館の魅力ですが、そういう意味では、大変広域ながら確かにここは郷土資料館なのだと思いますconfident

深川江戸資料館と同様に利用の仕方で入館料400円が高いか安いか印象に差が出そうですが、明日明後日はクーポンゲットで割り引きになるみたいですよ。

獅子舞や雅楽演奏、コマの絵付けなどお正月らしいイベントもあるようなので、この機会にぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?dog

 

ちなみに見そびれたセンターゾーンの旧自証院霊屋。

ビジターセンターに模型が置いてありましたheart01

Dscf2825 Dscf2827

日吉造(?)美しい~~shineshine

博物館探訪欄外-横浜人形の家『シルバニアファミリー×ドールハウス展』

シルバニアファミリー、すっごい好きというわけではないのですが、せっかくなので見てきました。

シルバニアファミリー×ドールハウス展

……なのですが、入ってみたらばちっさい家具や街がツボでheart04

気づけば大量の写真を撮ってしまっておりました(^^;)

そういや私、博物館でもジオラマとか見るとテンション上がるもんな~、こういうのが好きだったんだな(笑

特に解説することはないので(汗)写真だけ載せておきますねwink

 

Dscf2647 Dscf2648 Dscf2649

やべ~、街だ~、この中入りてぇ~~っhappy02

Dscf2650

この街ちょっと塔が傾いちゃってて危ないですねsweat01

でも、こういうのも手作り感があって好き(笑

Dscf2653 Dscf2655 Dscf2656

Dscf2652 見よ、このつくり込み具合を!happy02

Dscf2660 あうっ!heart02

Dscf2663 あうあうっっ!heart02heart02heart02

そして動く~note

Dscf2676 家の外にある木までがカワイイheart04

Dscf2679_2 Dscf2681_2 Dscf2682_2

Dscf2684 Dscf2691 Dscf2688

これらの展示品は触っちゃダメなのですが、展示室内には自分でアイテムや人形をレイアウトできるコーナーもありました。

こういうの、空間デザインのセンスとか磨かれそうですよね!

 

お人形なしのものも。 ↓

Dscf2668 Dscf2669 Dscf2670

中世の小部屋っぽくていいですheart04

こちらは和テイスト ↓

Dscf2693 Dscf2694 Dscf2697

 

まだまだあるんですが、このくらいにしておきましょうか(^^;)

こちらの特別展は来年1月28日まで。

若干見学料が高いかな~と思わなくもないですが、好きなひとならテンションupup間違いなし、好きでない方でもそれなりに楽しめると思います(笑

博物館探訪-横浜人形の家

2017年博物館探訪、最後は私の大好きな人形で締め括ってみようかと行ってきました『横浜 人形の家』(^^)

世界各国の民族人形や、こけしなど日本国内各地の伝統人形ほか、1万点以上のコレクションを持つ博物館で、展示以外に人形制作ワークショップや、館内にあるホールでの人形劇、音楽会などの公演も積極的に行なっているようです。

 

展示室に入ってすぐの部屋には、横浜開港によりいかにして異国風の人形がひとびとの生活に受け入れられていくのか、その流れを簡単に説明する資料が並んでいます。

Dscf2552 Dscf2553

大正11年頃に発行された少女雑誌の表紙にはキューピーさんもいますねhappy01

Dscf2555

↑これは昭和62年につくられた『赤いくつの女の子』。

異人さんに連れてかれちゃう~~(笑

ちなみに縮緬生地でできているらしいですcoldsweats02

 

大正末期になるとアメリカで、雇用問題から日系移民排斥運動が起こり、日米両国の関係悪化を緩和するために『友情人形』なるものの交換が行われたのだとか。

12,000体もの青い目のお人形が、大挙して日本へやってきたわけですね(笑

彼女たちは、ちゃんとパスポートや列車の切符も持っていたんですって!

Dscf2565

そしてその返礼として、東京や京都の人形師さんたちが生み出した市松人形58体がアメリカへ渡ったそうです。

 

Dscf2559

↑横浜の郷土人形。

昭和初期に横浜土産として考案されたのだとか。

横浜の治安維持にあたっていた『菜っぱ隊』と呼ばれる役人や、異国の紳士、水夫と船で働くインド人など、横浜開港当時の風俗を今に伝えています。

 

次の展示室内には、各国の民族人形が所狭しと並べられていて……

Dscf2568 Dscf2570 Dscf2574

所狭しと……

Dscf2592 Dscf2597

……いや、並べすぎじゃね!?

平気で解説ボードの前にも置いてるし!

読ませる気ねーなコレ。

ショーケース前のデスク上にも度々 ↓

Dscf2573

みたいな解説があるのですが、該当資料は ↓

Dscf2572

離れすぎだろ!!?

このパターン、ほかでも多く見かけました。

どの人形についての解説なのか、当該資料を捜すのに結構イライラcoldsweats01

ほかにも、

Dscf2575 ショーケースの継ぎ目を意識していない。

 

Dscf2578 Dscf2579 前の資料が邪魔で名札が見えない。

 

Dscf2609 Dscf2608 解説ボード自体が邪魔で、資料の細部を見られない。

 

明らかに、資料出しすぎ(^^;)

解説も、「ほほう!」と感嘆するほど詳しいものもあれば国旗しかついていないようなものもあり、研究深度にばらつきを感じました。

Dscf2571

↑狐が集まって歌っている(?)人形とか、きっと何か謂われがあるのだと思うのですが……。

後ろの人形とは特に関係ないのかな……そういうのも含めて、解説が欲しかったweep

 

なので、展示替えを前提に、少し整理して見せた方がいいのではないかと……。

コレクション数は充分な数が揃ってますし、なかなか目にすることのないような貴重な資料も見受けられたので、余計にこの乱雑な陳列法が残念ですdespair

でも展示替えは手間がかかるし、もしかしたら大きな収蔵庫とかを持ってないのかなーとも思ったり。

いろいろご事情があるんでしょうね。

 

コレクションは本当に素晴らしかったので、いくつか私の気になったものをご紹介しておきますねhappy01

Dscf2569 Dscf2576

Dscf2581 Dscf2580

Dscf2593 Dscf2594

大阪のビリケンさんを思い出してしまうのは私だけか!?

 

Dscf2606

展示室の中央にドールハウスheart04

Dscf2585 Dscf2590 Dscf2591 Dscf2604

ヤバい、たまらんっhappy02

 

次の間にこんなものも。

Dscf2611 Dscf2612 Dscf2614_2

こういうのはこの時季ならではの展示でいいですね!

ざる被ったわんこは子供のくしゃみを止めるのに効果があるらしい(笑

 

Dscf2620

↑年表と制作年代を提示した人形の展示。

……でも人形、年代順に並んでいるわけではない。う~ん??

 

Dscf2617 Dscf2618

ひっくり返すと ↓

Dscf2619

私はこういうの大好きなので躊躇わずスカート捲ったりして捜しましたが、前を歩いていた親子はチラッと見ただけで素通りしちゃってて、ちょっと寂しかったですweep

「猫捜せ!」ボードに気づかなかったのかもなぁと思い、目立つように置いてその場を離れ、そっと見守っていたら、次に来たカップルはしっかりやってくれました。よしっ!(笑

 

2階にはビスクドールを始めとする西洋人形と、日本の雛人形などが展示されています。

素材ごとの人形種別や特徴を纏めたパネルが入口にあるので、それを確認してから実物を見ると面白いですよ!

Dscf2630 Dscf2629 Dscf2631

布でつくられた人形 ↓

Dscf2625 Dscf2626

からくり人形 ↓

Dscf2627 Dscf2628

どちらも人形動作中の映像がモニターに流されています。

ダンス人形の方は、動きがかーなーり激しい!(笑

 

Dscf2637 Dscf2638

↑雛人形。お家つきですhappy01

Dscf2639

浄瑠璃人形 ↓

Dscf2636

現代作家さんの作品……だったかな? ↓

Dscf2640 Dscf2641

美しい……shine

 

展示室の奥で、ビスクドールと市松人形の制作過程を映像化した資料を見られます。

Dscf2642

このコーナー、非常に興味深かったです(^^)

映像はむだのない簡潔なつくりで長さも適度。

2本とも飽きずに最後まで見られると思います。

また、下に抽斗があって、開けると人形のパーツが。

Dscf2644 Dscf2643

一部は触ることもできるように工夫されていますので、感触などを確かめることも可能です。

抽斗を開けるという行為自体も、ちょっとワクワクしていいですよね!heart02

 

そんな感じで、小さな施設のわりにガッツリ楽しめましたhappy01

学習施設としてはもう少し情報量が多くてもいいのかなと思いますが、人形に興味を持つきっかけとしては充分ですし、もともと興味のある方も満足できるだけの資料数なんじゃないかな。

年明けは2日から開館されるそうなので、お正月に退屈したら、ぜひこの機会に訪れてみてはいかがでしょうか?

 

ちなみにこの日、特別展で『シルバニアファミリー×ドールハウス展』をやっていました。

こっちは特に学習効果云々というのはないので、別立てで写真だけご紹介しますね(^^)

ご興味のある方は『シルバニアファミリー×ドールハウス展』へ!(笑

博物館探訪-東京都美術館・現代の写実ほか

来年1月6日まで開催されている『現代の写実―映像を超えて』。

ゴッホ展の半券があれば無料で見られるということだったので、ついでに立ち寄ってみました。

が。

正直に言って、私はこちらの展示会の方がおもしろかったです(^^;)

 

まるで写真か?と疑いたくなるほどリアルな描写で、ひとによっては「じゃあ写真でいいじゃん」と思うかもしれませんcoldsweats01

でも、リアルな景色のすべてが現実的である必要はないワケで。

そこにこそっと作者の幻想が混ざり込んでいたりする、夢現の曖昧さがたまらない。

……「それCGでいいじゃん」っていう声も聞こえそうですがcoldsweats01coldsweats01

 

こちらは写真撮り放題だったので、私が惹かれた作品の一部をご紹介notes

 

Dscf2441

↑これ絵です。念のため(笑

Dscf2442

↑モチーフの縮尺を自由にできるのが写真にはない特権。……まあCGなら可能ですが(^^;)

 

Dscf2502 Dscf2504

私のイチオシheart04

Dscf2506 小田野尚之さん『発電所跡』

 

実はこの辺りの絵は、会場に入らなくても廊下のガラス越しに見ることができます。

Dscf2503

なので、中にはわざわざお金払って見なくてもいいや、と思う方もいるかもしれません。

でも逆に私は、この『発電所跡』をもっとちゃんと見たいと思って入場しました。

これ、結構凄いことだと思います。

建物の構造がそのまま広報宣伝を担っている。

と同時に、ただで覗けたとしてもなお集客できるだけの魅力をこの絵たちに見出しているという館側の自信やプライドが、私的にはあっぱれだと感じました。

なんか東京都美術館、私、結構好きかも(笑

 

Dscf2507

巨大な絵もたくさん。

Dscf2508 Dscf2509 Dscf2511_2

この辺りは「和」のイメージでありながら、色彩の鮮やかさがモダンですhappy01

Dscf2510

また錦鯉か!?(笑

 

Dscf2512

↑これ、立体物に見えますが、まるきり平面の絵です。

でも思わず近寄って横から覗いてしまったほど立体的に描かれていました。

騙し絵みたいhappy01

 

Dscf2514 Dscf2515

↑あっ、オリーブの繁みにうさぎさん!?happy02

 

という具合に、わりと雑多に毛色の違う写実絵がたくさん展示されていました。

一見写真のようでもあるけれど、切り取られた一瞬ではなく、ある程度経過のある時間が閉じ込められているような。

そんなステキな作品たち。

気になった方はぜひ、実物を見にいってくださいね!

 

その他、書道展とか学生さんの卒業制作展とかを見て回ったのですが、どれも大変興味深かったです(^^)

筆の運びの途中にぽつんとついた墨の点に「これがすばらしい! これは素人にはできないわ!」と感激している方がいたり。

(私はうっかり墨が跳ねちゃったのかと思ってましたcoldsweats01

展示室内に立ち込める油絵の具の独特な香り。

(たぶん搬入ギリギリまで、みんな頑張って描いてたんでしょうね。)

新しい発見や、忘れていたものを思い出すような、なんとも充実感のある1日を過ごせましたconfident

 

今はまだ無名のアーティストの卵たち。

彼らの剥き出しの情熱をつぶさに感じ取れる、ちょっと変わった美術館。

上野を訪れた際には、ぜひ一度立ち寄ってみてください。

建物の外にもいろんなオブジェが飾られていますので、そんなものを眺めるだけでも楽しめますよhappy01

04 03 05

時間に余裕のある方は、閉館まで居座ってみるのがおススメ。

何故なら……

06

めっちゃ夜景が綺麗ですshineshineshine

博物館探訪-東京都美術館・ゴッホ展

上野にある東京都美術館は、大正15年に開館された公立美術館。

もう20年近く前に1度二科展かなにかを見にきたような来なかったような気がするだけで、すっかり私の上野博物館マップから抜け落ちていたのですが(汗)、ゴッホ展の無料券をいただいたので、ちょっと行ってみました。

 

こちらの美術館も六本木の国立新美術館と同様、常設展のないギャラリーのようです。

名だたる画家の名品を見せる特別展のほかに、現代アートや学生さんの作品展なども多く行っているみたいで、私が訪れた時も全部で10種類くらいの展示会が入っていましたsweat01

無料のものも多いので、好きなひとなら1日いられるな、こりゃ(笑

ただその分、正直どこで何が開催されているのかよく判らず、目当ての展示室を見つけ出すのに苦労しました(^^;)

02 01

↑1階(? それすらもよく判らんsweat02)ラウンジにあった建物模型。

地下2階だか3階だかまであって広大すぎる(汗

案内スタッフさんは展示室内外に複数配置されていましたが、あんまり教育は行き届いてないかもなーという印象(^^;)

 

でもって。

1月8日まで開催予定の『ゴッホ展 巡りゆく日本の夢』は、ゴッホの作品だけでなく、その多くにインスパイアしたとされる日本の浮世絵を一緒に展示することで、両者の関わりや人物・ゴッホにまで迫ろうと企図した意欲展示。

……なのですが、う~ん??coldsweats01

確かに企画の着眼点はおもしろいと思いますし、工夫もされているのが判るのですが、なんかもう少し何かが足りないような……。

美術館という現場で実物を目の当たりにしているわりに「ほう、なるほど!」感が得られなかったのは、せっかく集めてきた浮世絵とゴッホの作品が、わりとぱっつり分けて展示されていたせいではないかと(汗

一応同じ展示室内に並べられてはいるのですが、『浮世絵コーナー』『ゴッホコーナー』という具合に壁が分けられていて、比較鑑賞がしにくかったんですよね。

それでも客入りが少なければ、何度も振り返ったり、行ったり来たりして鑑賞することもできますが、あいにくというか幸いなのか、結構展示室内混み合っていたので鑑賞動線を崩すのは難しかったです。

また、基本情報の掲示が遅すぎる、という点もいくつか見られ、これも「なるほど!」感を損ねてしまった原因かも。

例えば、ゴッホの絵の中には縮緬紙に刷った浮世絵を意識して描かれたものがあるそうなのですが、該当の絵を見終えた辺りの壁にその説明が書かれていたり。

ふたつほど展示室を過ぎた辺りにゴッホの略歴年表があったり。

いや、何故このタイミング?gawk

あと、次の展示室の入り口に映像資料を置いてあるところがいくつかありましたが、そこでひとが滞留して部屋に入れない、という状況になっていたので、資料の展示場所(順番)は改善すべき点が少なくなかったように感じます。

でも全体的には、室内がとても広く、混雑していたとしても回りやすくて快適。

度々いろんな美術館で気になった照明の反射による見えにくさも、この美術館ではほとんど感じませんでした。

若干説明ボードも暗くて読みにくいということを言っていた年配の方もいらっしゃったので、ボードのところだけはスポットライトで明るく照らすなどできると、もっといいのかもしれません。

私自身は、見やすさで言えばかなり高評価というか、最近行った美術館の中では一番見やすかったのではないかと。

また、ここも特にパンフレットなどなかったのですが、展示室外のラックに当該展のチラシが置いてあって、自由に持ち帰れるようになっていたのも好印象でした。

 

展示作品そのものについては……今さら私ごときがゴッホについて語れることもないですし、正直なところ……ゴッホの美意識は私の感性と激しく乖離しとるな、というのを再確認したので(汗)あまり触れませんが、最後の方に展示されている『ポプラ林の中の二人』は、絵の左方から見た時と右方から見た時でだいぶ印象が違いますので、ぜひ横に移動しながら見てみてください(笑

ちなみに私は向かって右側から見た方が好きhappy01 

あと、これは歌川国芳だったかな?の『当盛江戸鹿子三めぐり』とかいう絵があるのですが、私の後ろにいた女の子がそれを見た瞬間「わ、この女の人でかくない!? 後ろの山に生えてる木がちっさい!」と、まるで「でいだらぼっちか!」みたいなことを言っておりましたが実際は……という感じなので、これもよければご自分の目で確かめてみてくだされ。

や、彼女の見方、ファンシーで私は好きです(笑

 

そんなワケでゴッホ展、結構混んでましたが、気になった方は訪れてみてはいかがでしょうか?

実は展示室を出たところに、自分の顔をゴッホが描いた絵のように加工して自撮りができるコーナーもあるので、スマホ持参されるといいですよ!

(って、室内スマホ持ち込み禁止になっていたような気もするけど……。そしてこのコーナーの案内はいっさいなかったような気もするけど……。こういうところも要改善かなぁcoldsweats01

 

そのほか同時開催されていた展示会については、別立てでご紹介しますね(^^)

博物館探訪-深川江戸資料館

木場の方へ行く用事があったので、ついでに寄ってみました『江東区深川江戸資料館』。

江東区民の啓蒙と、地域コミュニティの交流・振興を目指す公益財団法人が運営しているらしく、展示室や併設される小劇場で演劇、落語などのイベントも頻繁に行われているようです。

 

資料館内部には江戸時代末期の深川佐賀町の町並みが再現され、本当にその界隈に迷い込んだようなタイムトリップ感を味わえますhappy01 

Dscf2304 Dscf2303 Dscf2306

Dscf2310 Dscf2311 Dscf2309_2

↑細かいところまでつくり込んである。

 

……が。

これはー……利用の仕方によってだいぶ評価の分かれる施設かなぁ~sweat02

 

基本的に建物が並んでいるだけで、文字でも映像でもいっさいの解説はついていません。

その代わり、複数名のボランティアスタッフが常駐しているようなので、うまく捕まえられれば詳しい説明を聞くことが可能です。

Dscf2400

↑法被を着ているのがボランティアスタッフさん。

スタッフさんによるかもしれませんが、わりとフレンドリーに向こうから声をかけてきてくださるので、質問はしやすいと思います。

ただこれは、時間に余裕がないとできないですよね(^^;)

また、事前に申し込みをすれば解説者つきの見学も可能で、その場合にはどうやら建物内部に上がることもできるみたいです。

私が訪れた時にもお子さん連れのご家族(団体?)が、スタッフさんの監督下でお部屋の中に入り、実際に棚を開けたり道具に触れたりしていました。

Dscf2387

こういった体験学習は、効果的に楽しく学べるいい取り組みだと思います。

展示室内は照明や音響による時間変化も体感できる工夫がされているので、本当にその家で生活しているような臨場感も味わえます。

Dscf2333 Dscf2342

 

なのですが、ぶらりと立ち寄っただけではまったく得るものがないと言うか……sweat01

いや、おもしろいんですよ?

非日常感を味わうだけなら充分ですし、緻密につくられた建物や小物の制作費や維持費を考えれば、400円という入館料も決して高くはないです。

でも学習施設として見た場合には、今のままでは満足感を得にくいかな~という印象coldsweats01

入館時に貰えるパンフレットに建物の簡単な説明があるにはあるのですが、写真を見てもお判りいただけるとおり内部が薄暗いので、老眼の進んだ人間にはこれ読むの結構ツライです(汗

ただ同じ事情で解説ボードを置いても邪魔くさいだけかな、という判断も判らないではないです。

でも例えば、

Dscf2381

↑竈の上にある煙り出し(天窓)。

Dscf2383 Dscf2384

↑こちらはすぐ横の障子戸の上にある格子が煙り出しの役目をしているので、天窓がない。

……というのを、私はたぶんそうだろうとアタリをつけて調べましたが、本当は現地でそういう解説が欲しいですよね(^^;)

かと言って、そのためだけにボランティアさんを捜して質問するのも、正直なところ面倒くさいsweat02

一応、展示室の奥に映像資料の見られるエリアもあるのですが、1本1本が長いので、他にひとがいるとちょっと利用しづらいです。

この日もほかに見ている方がいらしたので、私はちょっと遠慮しました。

Dscf2398

なので希望としては、建物ごとにボタンで再生される動画や音声ガイドを設置するのが効果的なんじゃないかな~と思いますが、費用の問題等もあるでしょうねthink

ただもともと江戸の民俗などを勉強されていて、実際にどんな感じだったのかを見にくるという方には充分な情報量があると思いますし、これを契機に興味を持つ、という効果も勿論期待できるので、機会があったらぜひ訪れてみてくださいhappy01

 

Dscf2305 Dscf2315

大通りに面した大店。

干鰯っちゅうのは文字通り干したイワシのことで、昔は畑に肥料として撒いていたそうです。

それをさらに茹でてギュッと固めたものが〆粕、その際に副産物として摂れるのが魚油なんだとか。

だから魚油は安く販売できた、と、ボランティアスタッフさんから説明していただきました(^^)

深川の辺りは水運もよく、河岸にはこのような店や蔵が多く並んでいたんですって。

 

Dscf2321 Dscf2324 Dscf2399

Dscf2323 ←猪牙舟言うらしい。

河岸には船宿も。

Dscf2328 Dscf2326

ちなみに2軒ある船宿の1軒は、裏側からも見られます。

Dscf2350 Dscf2349

このへんが立体展示の醍醐味happy02

建物と建物の間を通ったりとか。

Dscf2353

もはや迷路(笑

 

長屋。

Dscf2379 Dscf2361 Dscf2345 Dscf2346

Dscf2363 Dscf2365 あっ、ネズミが……っ∑(=゚ω゚=;)

 

長屋の共用スペース。

ゴミ箱やトイレがある。

Dscf2354 Dscf2355 Dscf2356_2 Dscf2357

『たれかけ無用』って……coldsweats01

時代劇で、洗濯シーンは見たことあってもトイレのシーンってなかなかないので実感なかったんですが、共用なんですもんね、キレイに使えってことですよね(汗

ちなみに壁の貼紙『月水早おとし』は堕胎薬のチラシだそうで、江戸の長屋にはわりと普通に貼ってあったそうです。

 

Dscf2358 Dscf2359

共用スペースにはお稲荷さんもいる。

お稲荷さんは船着き場にもいました。

Dscf2320

昔は生活の中で普通に、こうした小祠に手を合わせていたんでしょうね。

神さまがとても身近な存在だったんだろうなぁ。

 

Dscf2336 Dscf2337

Dscf2338

Dscf2335 Dscf2340

火の見櫓とその内部。

Dscf2339 あ、犬が……Σ(;・∀・)

さっきのネズミもそうですが、この町、結構いろんな動物潜んでます。

Dscf2389 この仔猫の親は……catface

Dscf2319 Dscf2316

写真は撮りませんでしたが仔犬もどこかにいるので、そんなのを探してみるのも楽しいかも??happy01

博物館探訪-東京国立近代美術館・工芸館

絵画を中心に扱っている近代美術館本館から歩くこと数分。

北の丸公園に隣接して建つ工芸館では、主に明治以降につくられた陶磁器、木工、染織などの工芸品を展示しています。

Takebashi_115

 

私が訪れた時は、工芸館開館40周年記念特別展として『陶匠 辻清明の世界―明る寂びの美』が開催されていました。

辻(本当はしんにょうの点がひとつ)晴明さんは「明る寂び」というひとつの美意識を構築された方だそうで、東京都名誉都民でもあるのだとか。

「明る寂び」というのは、もともとは哲学者の山口諭助氏が日本美の『寂び』を「冷え寂び」「暗寂び」などに分類したもののひとつで、辻さんが「明る寂び」という言葉そのものに強い感銘を受けたことが始まりらしいです。

いわく、宿命を素直に受け入れ、自然と合一する静寂の境地でありながら華もあり、優美でのびやか。さらには夜明けの空に似た澄んだ気配すら感じられる、と。

ひとつの言葉からこれだけのインスピレーションを得られる感受性にも驚きですが、そこに「軽いユーモア」をプラスし、自分の作風としてひとつのカテゴリにまで昇華させるというのがまた凄いですねthink

Takebashi_059 Takebashi_060

Takebashi_062 Takebashi_063

のびやかでユーモラス……うむ、確かに。

 

では暫し「明る寂び」をご堪能くだされ。

Takebashi_061 Takebashi_068 Takebashi_065

Takebashi_067

↑展示室内に和室が!

ここ、趣きがあってよかったですhappy01

こういうお部屋でまったりしたいな~。

Takebashi_072 Takebashi_073

ナゾの玉手箱。

何入ってるんだろう……。

 

Takebashi_074 信楽窯変蕪鉢

Takebashi_078 唐津皮鯨大盃

Takebashi_076 信楽自然釉釘掛花入

これ、とてもキレイshine

自然釉ってのは、窯の中で偶然灰がくっついてできたものを言うのだそうです。

(詳しくはこのへんのサイトを見てみてください(^^;)

そう考えると、宿命を素直に受け入れた奇跡の逸品なんですねheart04

 

Takebashi_080 信楽山羊角杯……使いづらそう……coldsweats01

Takebashi_082 Takebashi_084 Takebashi_085

信楽窯変馬上杯

見る角度によってずいぶん趣が違う。

これが立体造形物の醍醐味ですよねheart02

展示物と展示物の間に充分なスペースがあると、正面からだけでなく斜めや側面も鑑賞できていいですね!

Takebashi_086

これも本当は側面から見たかったのですが、隣の展示物が邪魔になって(汗)見られませんでした。残念think

Takebashi_093 Takebashi_094

↑でもケースなしだとさすがに怖いsweat01

この部屋ではカメラやバッグを思わずたすき掛けしちゃいましたcoldsweats01

 

辻さんは古美術愛好家でもあったそうで、埴輪や土器などの愛蔵品(なのかな?)も展示されていました。

Takebashi_087 古墳時代の埴輪

Takebashi_091 桃山時代の香合

 

そんなワケで、結構見ごたえのある展示会でした。

開催は今月23日まで。

またしてもあまり日にちがないですね(汗

気になる方は、ぜひ!

 

工芸館、実は建物そのものが重要文化財です。

Takebashi_111 Takebashi_052

明治43年に近衛師団司令部庁舎として、日本人技師の田村鎮氏が設計したそうです。

Takebashi_110 Takebashi_112

内部も明治期の建築物ならではのレトロな趣きで、好きな者なら中にいるだけでもテンションupup(笑

Takebashi_058 Takebashi_099 Takebashi_103

Takebashi_101 Takebashi_105 Takebashi_108

Takebashi_057_2 通風孔(?)まで美しいshine

 

……余談ですが、本館と工芸館の間に国立公文書館 があります。

私は公文書館の存在自体知らなかったのですが、ちょうど「日本とデンマーク―文書でたどる交流の歴史」なんて展示をやっていたので、通りがかりに少しだけ立ち寄りました。

明治期に日本を文明化させようと様々な努力をした日本人と、それに力を貸してくれた外国人の姿なども垣間見られて、結構興味深かったです。

今まで実はあまり明治政府が好きでなかった私ですが、ここのところ立て続けに近代史にまつわる展示などを見ていたせいもあってか、あのひと達はあのひと達なりに日本の未来をよくしようと頑張ったんだな、と、ちょっとしみじみさせられました(^^;)

こういう「偶然」から学ぶことって、案外多いんですよねconfident

博物館探訪-東京国立近代美術館

日本の五大国立美術館のひとつ、東京国立近代美術館

名前は知っていたけれども、そう言や行ったことがなかったので、11月3日の無料公開日を狙って訪ねてみました(^^)

Takebashi_051_2

この美術館は『明治以降の日本美術の流れを見せる』をコンセプトにしているそうで、展示室の構成も年代別になっています。

添付されている解説ボードも、その絵の技法や作者の人物像のほか、描かれた時の時代背景、その絵が社会にどのように受け入れられたのかなど、わりと記述が詳しく、画家を目指す方や美術史の学習にも役立ちそうという印象。

展示数も多く、バラエティに富んでいるので、半日くらい飽きずにまったり見て回れますsnail

 

Takebashi_001

カンディンスキー作『全体』

なんか顕微鏡を覗いているみたいhappy01

Takebashi_003 Takebashi_007 Takebashi_005

ココシュカ作『アルマ・マーラーの肖像』、佐伯祐三作『パリ風景』。このへんは大正時代に描かれたもの。

エルンスト作『つかの間の静寂』は昭和中期頃の作品だそうです。

残念ながらワタクシ美術にはまったく明るくないので(汗)作品評は控えますね(^^;)

 

以下、個人的に気になった作品をいくつかご紹介↓

Takebashi_011 情報メモってくるの忘れた~sweat02

Takebashi_016 Takebashi_022

高山辰雄作『穹』と杉山寧作『穹』。

同じタイトルのふたつの絵は、片や月を主役に鮮明に描き、もう一方は仄かな明かりで月の存在を匂わせる、という描き方において好対照である、と説明が付けられていました。

絵が発表された時にも、両者は同じ壁に並んで展示されていたのだとか。

……なのですが、今回の展示では離して飾られていました(^^;)

あれ、そこまで言うならふたつ並べておいてほしかったなthink

 

Takebashi_020 東山魁夷作『冬華』

Takebashi_009 アンドレ・ケルテス・ポートフォリオの一作。

 

Takebashi_012 藤田嗣治作『サイパン島同胞臣節を全うす』

Takebashi_014 同『動物宴』

同じ作家の絵ですが、タッチや画風が全然違いますね。

サイパン島の方は画面の中に切腹をする兵士や海に身を投げる女性、すでに死んでいると思われる子供の姿などが描き込まれ、見るからに暗澹たる作品になっています。

動物宴の方は一見ファンシーなのですが、実は壁に貼られている女性の絵と卓上のごちそうが対応しているのではないか、という解説もあり……じわりと怖い絵になっています(^^;)

私のような美術鑑賞リテラシーの低い人間には、こういった着眼点の示唆があるのはありがたいですね!

 

Takebashi_026 徳岡神泉作『蕭条』

Takebashi_031 近藤弘明作『無限』

もうこのあたりは、写真では良さが絶対伝わらないのでぜひ実物を見にいってほしいのですがsad

日本画って色彩や筆使いが淡いから、というのもあるのですが、例えば……

Takebashi_023 中村大三郎作『三井寺』

Takebashi_024

正面から見た時と、向かって左側に若干寄って見た時とで、訴えかけてくるものがまるで違う。

Takebashi_029 菱田春草作『松に月』

Takebashi_028

これは近づいて見るよりも引いて見る方が、和室の窓外に月を眺めるような心持ちになれて、より風情豊かに感じられます。

画面いっぱいに何かを描き込むのではなく、スペースを残した構図で場面をつくる日本画ならではの仕掛けなのかもしれませんが、自分が気持ちいい立ち位置を模索しながら鑑賞するのもまた楽しいひとときですよhappy01

 

Takebashi_037 東山魁夷作『映象』

Takebashi_041 同『道』

この美術館のもうひとつの特徴として、作品に対する作者自身の言葉が度々紹介されている、ということがあげられるかと思います。

『道』についても、「遠くの丘の上の空をすこし明るくして、遠くの道がやや右上りに画面の外に消えていくようにすることによって、これから歩もうとする道という感じが強くなった」という作者の言が解説ボードに載せられていました。

それを受け、「『道』には、戦後の日本の再出発への希望が託されているのです。」と解説を締め括っているのですが……ここまで書いちゃうと少々過剰かな、という気もします。

ほかでもあったのですが、絵の描かれた背景(時代や作家の心理状態)を説明した後に、(その視点で見ると)この絵は作者の狂気を描いたものだ的に、その絵を見て「どう感じるべきか」を解説で断定してしまうのは、鑑賞者の自由な感性を阻害しかねないのではないかと(^^;)

先述した『動物宴』のように、このオブジェクトにはこういう意味がある(かもしれない)という鑑賞のヒントを与えるのは大変効果的でしょうが、「情報」と「解説者の感想(見解)」は別物なので、鑑賞者が自分で感じて考える余地を奪ってしまうのは、学習施設としてはいかがなものかと思います。

作家の意図を説明するのも、場合によりけりですが、個人的には、作品からそれが読み取れなければ失敗なんじゃね?と思ったりするので(汗)良し悪しかな、と。

本の後書きで一所懸命自分が書こうとしたものの説明をする作家さんってたまにいますが、いやそれ本編で判るように書けよって(^^;)

しばしば美術館の解説不足にモンクを言っていた私ですが、あんまり説明しすぎるのもよくないんだな、と今回痛感しました(笑

 

いつもモンクを言っていること、で思い出しましたが、今回もパンフレット勧められなかったんだよなー。

なに? 最近の博物館ってパンフレットつくらない主義??

それとも無料公開日だから置いてない、とかなんですかね?

もう慣れてきたのでいいんですが、無料公開日って一見さんも結構来ると思うんですよね。

しかも見るのは常設展。

そしてどの博物館も手持ちの資料のすべてを常に公開しているわけではないので、その日自分が見かけなかった資料がパンフレットに載っていることもあるわけですよ。

そうしたら、そのうちの何人かは「あ、この館こんなの持ってやがる。くそ、また見にいくか」ってな具合に再来館してくれるかもしれないじゃないですか。

一見さんをリピーターにできる方法を、もう少し貪欲に瀬踏みしてもいいんじゃないかなと思ったりするのですが、余計なお世話でしょうかねcoldsweats01

 

私が訪れた時は『彫刻を作る/見る/聞く』という企画展もやっていました。

いろんな立体造形物があっておもしろかったです(^^)

Takebashi_042

↑こんなのとか。

『Golem』シリーズのひとつだそうです。なんかカワイイheart01

Takebashi_043 Takebashi_044

これは『森の死』とかいうオブジェ。

これもなー、写真ではたぶん良さが伝わらないんですが、現物の前に立つとなんとも言えない感慨深さを覚える作品でした。

この企画展はもう終わっちゃってるみたいです(紹介遅くてすみません……)。

 

そんなこんなで、3時間くらいがあっという間の見学でした。

私は今回時間が合わなくて利用しなかったのですが、こちらの館では毎日14~15時にボランティアスタッフによるガイドツアーがあるようなので、興味のある方はそれに合わせて行ってみるのもいいかもしれませんねhappy01

より以前の記事一覧