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2017年5月

博物館探訪-印刷博物館

学生時代に一度訪れた事があるような気もする印刷博物館

おそらく凸版印刷が出資している博物館で、その名のとおり印刷に関わるものが展示されています。

そう言えば暫くこの業界の事を忘れていたし、ちょっと初心に帰ってみちゃう?と、一路飯田橋へ向かいました。

駅を出て歩道橋をのぼると、目の前に『印刷博物館こちら』の大看板が!

博物館迄の道なりにもわりと頻繁に案内板が出ているので、迷いようがありません。

方向音痴の私でも一発で辿り着けました!(笑

さすがは天下の凸版印刷、この辺りに使える経費も潤沢と見たcatface

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建物は2階がカフェで、常設展は地下1階、1階にミュージアムショップとイベント用のギャラリーがあり、この日は『印刷書体のできるまで』という企画展をやっていました。

2014年に発表された新書体「凸版文久体」を例に、新しい書体の企画から完成までの行程を紹介しているもよう。

凸版文久体はディスプレイ上で読みやすい事を最優先課題として創られた書体だそうで、縦書きよりも横書きの時に美しく見えるよう工夫されているのだとか。

縦棒の角度や濁点の大きさなど、素人には違いが判らないような細部にまでこだわって創られていった事がよく判る展示になっていました。

制作時に担当者がデザイナーへ送ったメール文も展示されているのですが、その内容も熱い!spa

「現状、文字が止まって見えるから、もっとスピード感が欲しい」とか、「でも見出し用ほどは暴れない」とか、なにやら抽象的なオーダーがA4用紙2枚分くらいにわたって書かれていたりするわけですが。

これに応えるデザイナーさん凄いな!(^^;)

かつて欧文書体のデザインをした事のある友人が「アルファベット26字分のデザインを創らなきゃならなくて、途中で泣いた」と言っていたのを思い出しましたcoldsweats01

日本語はその上に漢字も創らなきゃなので、大変さは欧文の比ではないですねsweat01

そんな職人達(?)の新書体にかける情熱が満載になった展示で、大変興味深かったです。

こちらは6/18(日)まで無料で公開されているそうですよ!

 

常設展では、百万塔陀羅尼から始まり、エレクトロニクスを駆使して制作されたマイクロブック迄、古今東西の印刷物がテーマごとに展示されています。

印刷物の展示と聞くとテキストばかりというイメージを持ちますが、ここは文字による解説ボードはほぼ皆無。

代わりに用意されているのが、タッチパネル式の映像資料です。

最近は解説に映像を利用する博物館が増えていますが、私は良し悪しかなと感じています。

確かに映像は興味を惹きやすいし、理解を助ける上でも強力だと思いますが、文字ボードを読むのに比べて時間がかかるんですよね(^^;)

……と思ったら、ここのはディスプレイに触れると再生バーが出現し、自分で早送りができる仕様になっていました。

ナレーションも字幕になっているし。

字幕表示が再生バーの下なので、自分の指で中央部分が読みづらいのは難ですが、手動早送りで時間短縮できるのは大変便利happy01

また、じっくり映像を観たいひとのために、机の下に椅子が隠してあるのも親切です。

ただ、ディスプレイが展示ケースと地続きになった机に埋め込まれているので、誰かが座って映像を観ていると、他の見学者は展示物自体も観にくくなってしまうのが難点かな。

私もそれで飛ばした展示物がいくつかありました。

すいている時はなんとか対応できても、混雑時にはあまり効率がよくないかも。

あと、個人的に……こうも徹底的に文字解説を排除されると、映像文化に文字が敗北したような悔しさを若干。。。

もちろん映像の中にも字幕が多用されているので、単に媒体の違いだけなんですが(^^;)

そういう意味では、印刷博物館と名乗りつつ印刷術に固執するわけでなく、飽くまで情報伝達法と捉えた上で、より広く深い伝達方法を模索し発明したひとびとを讃え、みずからもそれを追求し続けるというのが、この博物館のスタンスなのかもしれません。

実は常設展示室の外にVRシアターというのがあるのですが、これなどはまさにそうした理念を表しているかも。

湾曲したスクリーンに投影されたCGの大仏が、もしや今流行りのドローン撮影か!?と勘違いするほどリアル。

また3Dばりに奥行きを感じられる映像創りになっていて、本当に面白かった!happy02

時代時代で開発される新たな技術を拒むのではなく、それを活用して情報伝達の質を高めていく。

その努力を惜しむべきではないという館側の気概が感じられたような気もします。

(気のせいかもしれません(笑)

ともかく迫力の映像は、まるで自分がその中に入り込んでしまったかのように思えるほどの臨場感でした!

映像に載せるナレーションが、係のお姉さんによるナマ語りなのは謎ですがcoldsweats01

まあこれも館側のこだわりなのかもしれませんね(^^)

こちらは毎日オープンしているわけではないようなので、行かれる際には上映スケジュールをご確認ください。

 

そんなこんなでテンションupupになってしまい、うっかり活版印刷体験なんてものまでしてきちゃいましたcatface

展示室の奥に印刷工房があって、一筆箋に文字を印刷できるワークショップになっています。

自分で活字を拾うところから始めるので、それなりに時間が必要ですが、大変楽しかったですよ!

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↑活字を組み込んで、高さを合わせるために金槌で軽く叩きます。

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↑紙を挟んでガシャコンすると、印字される!

009_2 た~のし~い~~~note

↓こんなのできた。

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工房にはレトロな印刷機も並べてあって、見るだけでも楽しいです(^^)

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ちなみに、工房は先着順の定員制なのですが、展示室にも多色刷りを体験できるコーナーがありますので、もし時間のない場合にはそちらだけでも試してみてください。

2017050502_002_2 こんなのが刷れますshine

2017050502_001_2 戦利品いっぱいheart04

 

今回は展示品についてはまったく紹介できませんでしたが、貴重な古文書や版、印刷機なども展示されていて、歴史好きな方でも楽しめるかと思います。

正直1日では堪能しきれないっbearing

混んじゃうと嫌なのであまり教えたくないですが(笑)毎年5/5と11/3は入館無料だそうです。

ご興味を持たれた方は、ぜひ一度足をお運びになってみてはいかがでしょうか?(^^)

博物館探訪-東京国立博物館・特別展「茶の湯」

無料招待券をゲットしたので行ってまいりました、上野の東京国立博物館特別展「茶の湯」

 

国宝「曜変天目」を始め、同じく国宝の「青磁下蕪花生」や重要文化財・黒楽茶碗「ムキ栗」、茶室を飾る雪景山水図など、貴重な品がずらりと並ぶ展覧会は、37年前に開かれた「茶の美術」(トーハク・1980年)以来のものなのだとか。

途中で展示替えを行いつつ、全部で259点もの名品が集められています。

展示は茶の湯という文化がどのように発展していったのか、その歴史を追い駆けながら、時代時代の茶人に愛された品が紹介されていて、大変見ごたえがあります。

私は今回、利休に対する印象がだいぶ変わりました(^^;)

展示室内は撮影禁止なので、さらっと紹介するだけに留めますが、普段焼き物などがお好きな方なら特に茶道の知識がなくても充分楽しめると思います。

もちろん茶道に造詣が深ければ、より楽しいかと(^^)

私自身はまったく茶の作法とか判りませんが、前を歩いていた年配女性2人連れがどうやらお茶を嗜んでいる方のようで、「この茶杓使いやすそう」とか「あの茶入に似たものが〇〇円で三越に売っていた」とかいう会話をしながら見学する後をくっついて歩いて、随分楽しませていただきました(笑

 

会場内は結構な混雑でしたが、展示ケースよりも高い位置の壁に解説ボードがついているため、遠くから先に解説を読んで、人垣に隙間ができたところで展示品を見るということが可能。また、陶磁器の展示ケースの向かい側に絵画や書を展示することで人の滞留を散らす工夫もされていたので、さほどストレスなく見学できました。

このへんはさすがトーハク!

今回、展示ケースもこだわりの逸品なんだそうです。

ケースの底にLEDを入れ、その上に黒いフィルムをかけることで光を調整してあるため、陶器の表面のざらつきやくぼみなどのコントラストがはっきり見えて、より質感を得られるようになっているのだとか。

やはり国立、予算が潤沢なんだなcatface

 

茶の文化そのものを扱った展示会なので、中に茶室の模型も展示されていました。↓

01 ここだけ唯一撮影可能。

01a 01b

だいぶブレちゃったんですが、床の間に飾られた竹製の花入れ。

実はこれ、花も木工細工なんだそうです。

本物の花を使うと湿気や微生物の問題とかがあるんでしょうねthink

 

ともかく、国宝・重文級の展示品が目白押し!

別に国宝だからというわけではありませんが、やっぱり曜変天目は美しかった~heart04

あのダマダマ具合が絶妙なんですよ!

お金かけて作った特殊ケースの効果もあってか、中の色味も大変鮮やかshine

独立したケースに入っているので、四方から矯めつ眇めつできるのも魅力です(^^)

曜変天目の展示は5/7まで。

ああっ、もう日がないですねsweat01

 

あとお勧めは青磁下蕪花生!

青磁の花瓶とか壺ってよくありますが、この色はめったに見ない。

ほんっっとーーーに美しいですhappy02

 

また、侘茶のエリアにある赤楽茶碗「白鷺」は、個人的には隣の展示品のケース越しに見える面の方が味があってよかったので、興味のある方はぜひケースひとつ分透かして眺めてみてください(笑

立体の造形物なので、どの方向から見るかで結構印象違いますよhappy01

 

開催は6/4まで。

入場料が高いのが若干難ですが、ご興味のある方は足を運ばれてはいかかでしょうか?

 

……今回の展示会、「茶の美術展」の企画者・林屋晴三さん(東京国立博物館名誉館員)にもいろいろとアドバイスをいただいたのだそうです。

でも、開催を楽しみにしながら、その直前にお亡くなりになったのだとか。

直接は関係のない話ですが、そんなエピソードを聞くと、この展示会に懸ける学芸員さんの心持ちなどを想像して、また少し違った見方ができるかもしれませんね。

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