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2013年4月

パラボリカ・ビス-『ワスレモノ』ほか

生命の終焉

文明の終焉――

造形の実験室に 真実はありえない……

 

parabolica-bis 

黒田武志 作品展「ワ ス レ モ ノ」
「森に遊ぶ。」ーオカムラノリコ作品展ー
西織 銀/作品展「銀の意図」
鳩山郁子・原画展~宮木あや子『雨の塔』『太陽の庭』~
マンタム個展「 残骸に在るべき怪物 」
 

とゆーワケで、実に2年ぶり!?にパラボリカ・ビスへ行ってきました。

ちょっと用事ででかけたついでにふら~りと足を延ばしてみたのですが、なんと今回のパラボリカは豪華展示会5本立て!!???

うおー、祭だ祭だ~~~っ;:゙;`(゚∀゚)`;:゙

……ってこれ、お得感はあるんですが、それぞれまったく世界観の異なる展示を次から次へと観ていくので、結局散漫になっちゃってどれも印象に残らない、とゆーのが過去の経験則(^^;)

まあとりあえず、いつものごとくひとつずつ感想をば。

手始めに、受付横の休憩エリアが展示会場となっていた鳩山さんの原画展から。

壁にカラーとモノクロの原稿が展示されていて、奥のスペースにはアクセサリ?のパーツが並べられていました。いずれも値札がついていたので、購入できるみたいです。

水彩色鉛筆なのでしょうか、濁りのない色彩でかわいらしいです。ヨーロピアンなテイストなんですがちょっと田舎っぽいというか、中世のお城みたいなあまり洗練されすぎてない素朴な雰囲気で、ホッとできるイラストが多かったです。結構売れてました(笑

次。

二階から行こうか一階から攻めようか少々悩んで、人形好きな私としてはメインディッシュは最後に!とか思って一階の『ワスレモノ』から回ることに。

……これが……、予想に反して(?)私今回の展示の中ではこの部屋が一番お気に入りだったかも(^^;)

活字メインのものと物体メインのものと二種類のオブジェがあって、どちらもおもしろかったのですが、特に物体メインの方。シャーレの中に花や昆虫の翅、たんぽぽの種と、必ずネジやら歯車やらの金属片が入ってて……特に何を表わしているとかの説明書きはなし。ついでに作品名もなし。これ、どうやら作者さんのこだわりらしく、部屋の入口にあったパネルにそのことが書かれていました。

砂漠の砂のひと粒ひと粒に名前がないように、作品のひとつひとつにも名前はつけない。砂粒は風に吹かれてよその場所に落ちれば、その場所の名前で呼ばれるのだから。……みたいなことが書かれていて、ちょっとシビレタ(笑

観る者が好きなように感じればいい、どうにでも好きに解釈してくれ的な、ある意味ぶん投げるような提示のしかたが潔いですよね。

文学は受け手の感動に枠組みをはめるけど、造形のもたらす感動はあまりにも野放図で。

どう捉えてもいい。

そこにはおそらく正解も、真理もなくて。

野放図に描き出したものは、「兵どもが夢の後」?

あるいは「盛者必衰」?

朽ちかけた歯車の隣に、あるいは錆びた鍵の傍らに、寄り添う花。置き去りの片翅。

でも花も、すでに死んでシャーレに閉じ込められている。

生命も、文明も死に絶えた後に残るのは、かつてそれが在ったという証の片鱗……。

ちょっとそんなことを考えさせる作品群でした。

そんでもって、私今回初めて、花とぜんまいの組み合わせがこんなにも美しいということを知りましたよ(笑

こちらの展示は15日まで。ああ~、日がないですね(汗 気になった方は今すぐ浅草橋へGO!

 

頭の中でぜんまいがジージー言ってるような感覚のまま、お向かいの部屋へ。こちらはマンタムさんの展示室。

私マンタムさんの作品って何度かパラボリカでお見かけしたことがあるのですが、すごくシュールでゴシックロマン漂う作品で、なんとなく綺麗な魔女っぽいお姉さんがつくってるのを想像していたのですが……。

今回なんと、会場にマンタムさんご本人がいらっしゃいました。……えーと、男の人ですね(^^;)

でもそれはそれでなんとなく作品のイメージと合っているというか、展示室の片隅でとんてんかんてんプレートを作成しているお姿も、あれ、展示品のひとつですか?くらいに世界観に溶け込んでました。

部屋の中央に白い動物のオブジェがあって、その横腹から針金みたいなものが飛び出している作品なのですが、それをしげしげと眺めていたらマンタムさんご本人から解説をいただいちゃいました。

マンタムさんが子供の頃はまだ結構戦後の傷跡が残っていらしたそうで(……どうやら結構ご年配のようです)淀川って言ったかなぁ、そこも普通に動物の死骸とかが流れていたとか。

ある日、川岸で馬の死骸を見つけたそうです。もう腐乱してたんでしょうね、お腹のところが膨れていて、子供だったマンタムさんはとても怖かった。でも怖いと同時に、楽しい気分にもなった。死んだ馬の腹の中でうじ虫達がサーカスをしているようだ、と。そう感じたとか。

私聞きながら『ブリキの太鼓』っていう映画を思い出しちゃったんですよね。

その中に海岸に打ち上げられた牛の頭(だったと思う)からうなぎがにょろにょろ顔を出している映像があるんですよ。もの凄く気持ち悪いんですけど、同時になんか愉快な気分にもなってしまって。

死に特別な意味を見出すのなんて、きっと人間だけなんだと。

この光景を見た者は痛ましいと感じるかもしれない。

でもうなぎにとっては、それはただの餌で。

きっと牛が人間でも、彼等にとっては同じこと。

でもマンタムさんは逆に、死骸をアートに使うなら、そこに使う意味がなければいけない。ただ造形がおもしろいから、それだけでは死を軽く扱いすぎてしまう。死が軽くなれば命も軽くなってしまう。それではダメなんだ、とお話しされていて、実際に戦後いろんな『死』をきっと間近にご覧になってきたのだろうな、といろいろ考えさせられるところがありました。

そんな話を聞いてから改めて作品を見直してみると……なんか余計に不気味になっちゃったじゃん!(汗

でもたぶんそれでいいんだ。

死は気持ちの悪いもの。若いひと達がほいほい自殺しちゃう昨今、もう一度現代人はそのことを思い出した方がいいのだろう。

動物の頭蓋骨やカラスの死骸でつくったギターも展示されていたのですが、それを実際に使った演奏会が14日(明日か!)にあるそうです。

死骸はもう死んじゃってるので何も訴えかけてはこないでしょうが、それを奏でる生者には何か伝えたいメッセージもあるでしょうね。

私は行けないのですが、こちらも気になった方はぜひ、足を運んでみてください。

その後も展示室に私しかいなかったので、結構いろいろ作品の解説をしていただきました。

奥の壁にかかっていた壊れたバイオリンの作品なのですが、持ち手のところがトカゲのしっぽみたいになっていて、中にカブトムシ?が入っているんですよね。でもって、右上にシャーレに入ったてんとうむしが置かれている。

……いやいや、てんとうむしのサンバでも演奏しろってことか、そんな禍々しいっっ!とか心の中でボケツッコミしていたら、その作品にも凄いしっかりしたストーリーがついてました(笑

気になる方は会場でマンタムさんにお尋ねください。たぶんほかのお客さんと談笑中とかでない限り、おそらく来場者無差別攻撃で話しかけてくださると思います(笑

マンタムさんのご在室日程はパラボリカのツイッターで確認できるようですよ。普段あまりひとと話すのは好きじゃない私ですが、今回は偶然いらっしゃる時に来合わせて凄くよかった!と思いました。

ちなみに解説をいただく前は、バイオリンとその隣の作品合わせて「森は歌う!! らーらら~~♪」と私は野放図な感動を弄んでおりました(^^;

自分の感性とのギャップを楽しむのもいいかと思いますよ!(笑笑

 

さて、予想外に一階に時間を割いてしまったので、若干慌てぎみに二階へ移動。

『森に遊ぶ。』を拝見。

これは……ファンシー?

なんだけど、谷山浩子さんの『森へおいで』が頭の中で自動再生(^^;

きのこ(だったか?)の周りをくるくる回っている動物達のぬいぐるみ、という作品が不気味に可愛くてよかったです。

あと、奥の壁にきのこの標本が並んでいるのですが、これが結構美しい!

幼少の頃薬科大学の文化際でエンドルフィンを大量放出させていた私は「やべ、ひとつ買っちゃう?」くらいの勢いでした(^^;

 

そしてラスト!

『銀の意図』。

想像していたよりはちっちゃいお人形でした。リカちゃん人形くらいかな?

でも衣装や髪の毛などディテールに凝った、大変魅惑的なお人形でしたよー。

 

総評。

ひとつひとつの展示室は正直かなりハイグレードで素晴らしかったです! これでいつもと同じく入場料500円は破格のお得さvvvv

ただ、やはりそれぞれが相殺してしまって、結局中途半端な気分で会場を後にする結果になってしまったような……。

バイヤーさんとかにはいいのかもしれませんが、私のような人間は、もっとどっぷりひとつの世界に溺れたい……(^^;

とは言え、パラボリカのスタンスがクリエイターさん達をバックアップするという点にあるような気もするので、これはこれで合ってるのかもしれません。

でも!

回り順は今回絶対に二階から一階へ、だった。

実のところマンタムさんのところでいろいろお話しした後だったので、二階の展示ちょっと上の空だった(>_<;)

あのきのこ、もうちょっとじっくり観てくるんだった!!!(そこか!)

 

とまあ、些か悔いは残りますが、相変わらずパラボリカ、楽しいです。

造形は感動に枠組みをつけないから。

……でも文学は、可視化できない感動を受け手の脳内に造成できるけどね。

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