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パラボリカ・ビス-清水真理・人形展

息詰まるような空間だった。

まるで、記憶の灰に埋もれてしまった古い館に迷い込んだかのような、緊張と昂揚。

そして、不思議な心地よさ――。

parabolica-bis 清水真理・人形展

 Victorian nightmare garden ~もう一つのアリス~

 

ということで行ってまいりました。

実は私、今回はパラボリカ・ビスのショップでお買い物をするのが主目的で、展示会の方はついででした。なので、正直「清水真理って誰?」くらいの感じ。別に特に人形好きというわけでもないですし。

ところが……。

一階と二階の二部屋に分かれた展示室の、一階メインの方。

一歩足を踏み入れると、そこは異世界でした。

照明を落とした狭い部屋、壁には、美しくも奇怪な仮面やレトロなフラワーリースが並び、中央に置かれた細長い小卓の上をところ狭しと彩るオブジェ達。

そして、点々と配置されている等身大人形……。

なんと言いますか、本当に、古びた廃城の地下室で禁断の魔術でも行うような、そんな雰囲気。もちろんメインは人形なのですが、周囲に散らばせてある花びらやビーズなどが、妖しい演出になっています。

お人形も、女の子がおままごとで使うような普通の人形ではもちろんなく、なんだろう、ビスクドール? アンティークドール? よく判りませんが、可愛い!と言うよりは妖しい感じです。

サイズや種類はいろいろありましたが、やはり圧巻だったのは等身大人形。

これ、首の下、胸から腹にかけての部分がくり貫かれていて、その中に、さらに小さな人形やオブジェが詰め込まれています。少女のお腹の中に一つの世界が開けているとでも言えばいいのでしょうか。それぞれの腹中世界の雰囲気と本体の人形の表情が連動しているようでした。

お腹の中に時計の歯車とそれを回すウサギの人形を収めている少女の顔は、本当に夢を見ているような可憐さで。

この等身大人形、何体か飾られていたのですが、中でも私が特に惹きつけられたのは、部屋の右奥に置かれた青いドレスのお人形……。

等身大人形って、基本的に目線が合っちゃうのですが、この青いドレスの娘と目を合わせるのは……マジで怖かった(汗

別に恐ろしい形相をしているわけではないのです。

彼女のお腹の中には、夜空の下の花畑、その上に月のゆりかごに腰かけたウサギ、そしてその周りを飛び遊ぶ天使達――という、大変メルヘンチックな世界が存在していて。

少女はとても美しく、片手の指を顔の前に立て、まるで魔法の呪文でも唱えているような感じに見えます。……ああ、それが怖かったのかも。彼女の魔法が創りだした夢の世界がお腹の中に展開していて、見ていると自分も捕らわれてしまいそうな気がしたのかも知れません。

あと、目ね。

ガラスの、きらきらした本当に綺麗な目玉が入っているのですが……吸い込まれそうだよ。

別にすごくリアルな人形というわけでもないのに、今にも動きだしそうで。

おおげさでなく本気で、私心臓ばくばくしてきちゃって(^^;)

緊張……と言うよりは、やっぱり恐怖感を覚えたのだと思います。

そのくせ、その娘の前から立ち去れなくなってしまって……それもまた怖かったです。

 

去り難い気持ちをむりやり引き剥がして、二階の展示室へ。

実は私、最初にこちらの二階を見てしまっていたのですが、周り順は絶対一階→二階だったと痛感しました。

二階は海をイメージした展示室で、お人形ではなく、ドレスやオブジェが天井からぶらさがっています。部屋そのものが展示品という感じでしょうか。

床のそこここに、貝殻や水泡を表しているのか、丸いボールが転がっています。

明るく幻想的な雰囲気と柔らかな音楽が、一階でバリバリ緊張しまくった心を優しく癒やしてくれました。

部屋の中央には小さな椅子がぽつんと置かれ、その前に大きな鏡が天井から吊り下げられています。

椅子もおそらく展示品なので座ることはできませんが、その後ろにちょっとしゃがみ込んでみたりしました。そうすると、今度はなんだか自分がお人形になってしまったような錯覚に陥りました。少し物寂しいけど、外界から遮断されることで安堵する、みたいな。

ただ、惜しむらくは、中央の鏡に映る後方の壁にもう少し工夫があるとさらによかったのになーと。

とか言いつつも、他にひともいなかったので、私は結構なんだかんだで長い時間二階でまったりしてしまいました(^^;)

 

今思うと、一見対象的に思える二つの部屋に共通していたのは、気配。

どちらも打ち捨てられ、埃を被ったような色あせた空間なのに、ひとの気配がするんです。

実際その場に存在していたらこの上ない違和感だろうに、でも、人形達に語りかける、あるいは、小さな椅子に腰かけて海を眺めるひとの息遣いを、確かに感じた。

それがまた怖かったのかも知れません。

 

 

このパラボリカ・ビス。

画廊とも呼べないような本当に小さなイベント場なのですが、かなりマニアックな展示会を開いてくれてます。私は今回で訪れるのは二回目ですが、だいぶんお気に入り(笑

展示品の数から言うと入場料500円は高いですが、でも帰り際、それを惜しいと感じたことはないです。

今回の清水真理展は今日までの開催だったのですが、わりと定期的にお人形の展示会をやっているようですので、ご興味を持たれた方はぜひ次回にでも足をお運びくださいませ。

私が感じたと同じ緊張感を味わっていただける……かも??

■parabolica- bis[パラボリカ・ビス]
東京都台東区柳橋2・18・11 TEL : 03・5835・1180
http://www.yaso-peyotl.com/index_16.html

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