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2006年5月

宇宙の孤児

 火星には、かつて地球と同じような水が存在していたらしい。
 とすれば、もしや地球と同じような生命も、誕生していたのでは
ないか?

 そんな希望を乗せて火星に下ろされた火星探査車『オポチュニ
ティー』。
 粉塵に塗れながら、今もまだ、彼は生命誕生の痕跡を求めて、
火星の地表を走り回っている。

 昔はどうあれ、今やカラカラに干上がった星――火星。
 その岩石の下に、もし生命の痕跡が発見されたとして……それは
つまり死骸なのだろう。「かつては生命が存在していた」という
だけの、単なる記録だ。
 そんなものを見つけてどうするのだろう?
 うかうかしていると地球も同じ運命を辿るぞ、という自戒にする
ため?
 それとも、大昔に生まれた生命が、現在の過酷な環境でも生き抜け
るような生命体に進化している可能性もあるのだろうか?
 ……それで、進化した『もの』を見つけてどうするつもりなのか?
 同じ人類という種族にあっても絶えず殺し合っている我々が、まるで
形態も生命システムも違う異種生命体を受け入れられるとは、私には
とても思えない。

 では、何故調べるのか?

 それはひとえに、未知の領域を少しでも減らしたいという、人間の
傲慢なまでの知識欲ゆえに違いない。
 アダムとイヴの神話が語る通り、人間は安寧な楽園を捨てても「知り
たい」と願う生き物なのだ。
 その飽くなき探究心の果てに見るものは、どんなものなのだろうか――。

この世に神はいない

 最近は病気や医療を題材にしたテレビ番組が大流行のようだ。
 その中に、ある症状やその治療法に対して複数の医師が是非を
答えるという番組がある。
 これが結構おもしろい。
 同じ医者という職業に就いていても、こんなにも意見が割れる
のかと驚嘆することが少なくないのだ。
 例えば足ツボ。東洋医学では今までの症例の積み重ねとして、
体の中の悪い場所を見つけたり、その改善に効果があると主張
している。だが、西洋医学は、どんなに細かく解剖をしても、
足裏にツボらしきものは発見できないと反論。
 また、ある医師は腸内洗浄は便秘や肌荒れに効果的と言うが、
他の医師はあまり効果はないと話す。
 その医師の立場や価値観によって、これだけ意見が割れるのだ
から、なるほど、セカンドオピニオンが奨励されるはずである。

 結局、医師だって他人の体の状態など、正確に把握できるわけ
ではないのだ。確かに彼等は、たくさんの病気の名前と症状を知っ
ているだろう。だが、目の前にいる患者がそのどれに該当するか
を決めるのは難しいに違いない。
 また、患者側も自分の症状を医師に正確に伝えるのは難しい。
 そこに存在する齟齬をどう解釈するかで、きっと診立ては変わっ
てくる。
 ましてや、病状には個人差もあれば、複数の病気をいっぺんに
発症している場合もあろう。
 それ等を統合して病名を決め、治療方針を打ち出す際に、医師
の個性が現われるのは当然と言えば当然かもしれない。
 医師だとて、決して森羅万象を知り得る神ではないのだから。
 おそらく異なる意見それぞれが、正しくも誤りでもあるのだ。
 だからセカンドオピニオンとは、患者が自分の納得できる(気
に入る)診立てを選べるというだけのことなのだろう。

 もっとも、古人の言葉通り『病は気から』。
 これだ!と思った診立てを信じて治療に励めば、案外回復する
ものなのかもしれない。

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