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2006年2月

絶滅の鳥

 ハワイに住む蜜吸い鳥・オオは年々その数を減らし、十数年前にカメラに捉えられた雄が、最後の1羽と考えられている。Oorough

 残されたフィルムの中、その雄は、つがいとなるべき雌を求めて、澄んだ美しい声で啼く。

 だが、応える声は、どこにもないのだ。

 たった1羽最後に残された雄は、この先、寿命が尽きるまで、なにを思って飛び続けるのだろう……。

春先の悪戯者

 それは忘れもしない小学5年生の春。
 当時公文なんぞに通っていた私は、「先生に渡してね」と母から託された月謝袋を胸に、とてとてと道を歩いておりました。
 途中で何を思ったか、幼い私は立ち止まり、封筒の中のお札を頭半分だけ引き出して確認してみたのです。
 その時。
 一陣の風が、私の手から1枚の千円札をかっ攫うと、優雅な風情で舞い上がり、民家の屋根の上へ隠れたのです。封筒の中には数枚のお札が重なって入っていたというのに、1枚だけですよ?
 その民家の人に事情を話し、屋根の上を捜索してもらいましたが、結局千円札は発見できませんでした。

 あの日、私は確信したね。
 風の精霊(シルフィード)は、いる、と。
 あるいは風小僧、もしくは又三郎。
 とにかく、この世にはいるんだな、そういうものが……。

 それから長ーーーーい時間が経ち、そんな事件はすっかりきっぱり忘れこけていたある日、私はまたしてもヤツと再会する事になったのです。

 総武線が通る寂れた駅。
 ホームで電車を待つ私の横で、サラリーマン風のお兄さんがひとり、手に封筒を持って立っていました。
 お兄さんは、おそらく何かのチケットなのでしょう、封筒の中身を半分だけ引き出して、しげしげと眺めている様子。
 その時!

 ――ひゅるん

(ヤツだ!!)
 チケットは風に乗り、本当にくるりと見事な輪Spriterough_1を描いて、高架になっている線路の向こう側へ落ちていきました。
「おお、風小僧、あいかわらず元気だのぅ」
と思わず呟いた私に、
「へへん、オレ様はいつだって元気だぜ。なんだ、おまえはしょぼくれてやがんなぁ」
と風小僧が笑って返した……かどうかは定かでないとして、とりあえずサラリーマン風のお兄さんは慌てて階段を駆け下りていきましたとさ。
 チケット、見つかるといいね……。

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